うつ病の障害年金の申立書|「悪い記入例」と「改善例」

この記事の内容

うつ病の「病歴・就労状況等申立書」について、「悪い記入例」とその「改善例」を掲載しています。

うつ病の病歴・就労状況等申立書は、世の中への恨みつらみを詳細に記述するための書類ではありません。

まずは時系列を整理し、

感情論ではなく事実を中心に記載し、

生活状況や就労状況を具体的に記載し、

「何ができないのか」が審査側に伝わるようにしましょう。

ご自身で申立書を作成する際のご参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

群馬県前橋市の若宮社会保険労務士事務所(障害年金社労士)
社会保険労務士・精神保健福祉士
鈴木雅人
事務所名若宮社会保険労務士事務所
代表者鈴木雅人
国家資格社会保険労務士 第10230004号
精神保健福祉士 第26879号
所在地〒371-0017
群馬県前橋市日吉町4-14-7
電話番号080-7712-2518
メールinfo@wakamiya-sr.com
定休日不定休
対応地域全国
対応方法メール/電話/郵送
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うつ病の申立書の悪い記入例

悪い記入例

※あくまで記入例です。下にテキスト版あり。

上の画像と下記は同じ内容です

病歴・就労状況等申立書(うつ病)の記入例

令和4年10月頃~令和4年11月23日

受診していない

会社の同僚だった若宮太郎という人が周囲に迷惑をかけるようなミスをしそうだったため、事前に気づいた私がそれを指摘し、そのときは事なきを得ました。

それでお客様からお叱りを受けることを防げたのですから、私の指摘はファインプレーだったと今でも思っています。

でも、彼らはそうは思わなかったようです。プライドの高い若宮太郎は私から指摘されたことでプライドを傷つけられたようで、感謝するどころか私のことを無視するようになりました。

それどころか、彼に同調する他の同僚や上司までも私に対する態度がよそよそしいものとなり、特に上司の若宮花子はあからさまに私を無視するようになりました。

だから、私がうつ病になったのは会社の人が原因です。こんな理不尽なことが自分の身に降りかかるとは思っていませんでした。私だけが悪者にされ、理不尽な仕打ちを受け、もう限界でした。

あの時私にひどい仕打ちをした人たちのことは、今でも許すことができません。


令和4年11月24日~令和5年6月2日

受診した

若宮社労士メンタルクリニック

ここの先生は本当にひどい人でした。

私の話をろくに聞こうとせず、いつもパソコンの画面を見て何かを打ち込んでいました。

何を打ち込んでいたのかはわかりませんが、私の悪口なのかもしれません。

たぶん、そうです。

私がどれほどつらく苦しいかを訴えても、表情一つ変えずに薬を変えるだけでした。

このままでは薬漬けにされてしまうのではないかという恐怖があり、病院から足が遠のきました。

会社はもちろん辞めました。

あんな連中の顔など二度と見たくないという気持ちしかありませんでした。

退職金は全然もらえず、有給休暇もまだ残っていたはずなのに使わせてもらえず、本当にひどい会社だったと思っています。

会社でひどいことをされ、藁にもすがる気持ちで受診したお医者さんにも冷たくあしらわれ、本当に生きた心地がしませんでした。

世の中はこんなにも冷たく厳しい所なのかと思うと、涙が止まりませんでした。

もう自分には生きる資格がないのではないかと思い、本当に嫌な気分でした。


令和5年6月3日~令和7年4月25日

受診していない

もう何もかもが嫌になっていました。

お金に余裕もなく、病院代がもったいないと思っていました。

家族からは「甘えているだけ」「気持ちが弱いだけ」などと言われ、私の味方は誰もいないと思っていました。

考えてみれば、こんなことになってしまったのは本当に運が悪かったと思います。

あんな会社で働かず、もっといい会社で働ければよかった…。

あんなクリニックを受診せず、もっといい病院に行っていればよかった…。

そんなことばかりを毎日考えていました。

悔しくて苦しくてつらくて…なんでこんなことになってしまったんだろう…なんで私だけがこんなにつらい思いをしなければならないのだろう…と考え、毎日泣くことしかできませんでした。

何もできなくなってしまった自分が嫌で、周りの人も誰も信じられず、これから私はどうすればいいのか考えましたが、答えは出ませんでした。

いっそ死んでしまいたいと思うこともよくありましたが、やっぱり怖くて実行できず、まさに八方塞がりでした。


令和7年4月26日~令和8年8月現在

受診した

社労士わかみや心のクリニック

私はもうすべてがどうでもよくなっており、何もやる気が起きず、すべてが怖いと思っていました。

でも、家族にほとんど無理やり連れていかれて受診しました。

前のクリニックよりは話を聞いてくれるお医者さんで、「つらかったですね」と言われたときには涙が止まりませんでした。

この先生なら信用できるかもしれないと思い、今も通院しています。

障害年金のことも先生から聞きました。

私ならもらえるかもしれないということで、先生に診断書を書いてもらい、自分でも今こうして書類を書いています。

お金はありません。

長いこと働いていませんので貯金もなく、生活は苦しいです。

家族にも申し訳なく思っています。

もし障害年金がもらえれば、またいろいろなことを前向きに考えられるような気がします。

だから、どうか私に障害年金をお願いします。

これがダメだったら本当に死ぬしかないと思う日もあります。

今の私には何もできません。

家族に迷惑をかけるばかりです。

存在価値がないのです。

何が悪いのか?

上記の申立書について、特に悪いポイントとしてわかりやすいのは次の点です。

おもて面

  • 審査に不要な情報が多い(会社での状況や医師への不満等)
  • 病状よりも周囲への恨みつらみが中心になっている
  • 障害の状態がほとんど分からない

うら面

日常生活状況のチェックが、すべて「できる」になっています。

すべて「できる」のであれば、障害年金は支給されません。

また、仕事をしていない理由について、(うつ病で意欲が低下しているはずなのに)「働きたいが適切な職場がないから」にチェックが付いています。

悪い記入例の改善例

改善例

※あくまで記入例です。下にテキスト版あり。

上の画像と下記は同じ内容です

病歴・就労状況等申立書(うつ病)の記入例

令和4年10月頃~令和4年11月23日

受診していない

・食品加工会社にて、H30年から経理の仕事に従事していた。

・両親と同居していた。

・R4年10月頃、同僚のミスを指摘したことをきっかけに社内で無視されるようになり、気分の落ち込み、不安感、夜眠れない、食欲がわかない、頭痛、吐き気等の症状を自覚するようになった。


令和4年11月24日~令和5年6月2日

受診した

若宮社労士メンタルクリニック

・気分の落ち込み等のために受診。

・服薬と月1~2回の通院を継続。

・両親と同居。

・治療を受けるも、症状が回復したようには思えなかった。

・R4年12月、食品加工会社を退職。気分の落ち込みがひどく、勤務を続けることができなかった。

・気分の落ち込み等の症状は、退職後も改善しなかった。気力が湧かず、自宅で何をするともなく過ごしていた。

・母から気分転換のための旅行や映画鑑賞を勧められたが、何もする気になれなかった。

・症状が改善せず、医師との相性も悪いように感じ、通院は自己中断した。


令和5年6月3日~令和7年4月25日

受診していない

・通院服薬に意味がないように感じ、受診はしていなかった。

・両親と同居。

・気分の落ち込みや不安感等の症状には波があり、アルバイトをしてみようと思えることもあれば、何もできずに丸一日横になって過ごすこともあった。

・どちらかと言えば、何もできずに一日中横になって過ごすことの方が多かった。

・この期間の就労状況は次のとおり。いずれも就労開始後に気分の落ち込みや不安感がひどくなり、短期間しか続けられなかった。

・R6年4月~同年5月、スーパーでレジ打ちのアルバイト。

・R6年10月、ドラッグストアで品出しのアルバイト(3日間出勤しただけで退職)。

・R7年4月、上記とは別のスーパーで品出しのアルバイト(1日出勤しただけで退職)。


令和7年4月26日~令和8年8月現在

受診した

社労士わかみや心のクリニック

・仕事を続けられず、自宅でも一日中横になって過ごすことが多く、母からきちんと治療を受けるように勧められて受診。

・服薬と月1~2回の通院を現在まで継続。

・両親と同居。

・治療再開後も気分の落ち込みや不安感等の症状は改善していない。

・気力がなく、就労はまったくできていない。

・何かをやってみたいと思えず、家族が気分転換に外に連れ出そうとしてくれても拒むことしかできない。

・頭がボーっとしてしまい、テレビを見ても内容が頭に入ってこない。元々は読書好きだったが、現在はまったく読む気になれない。

・家事は親に頼っている。億劫で自分ではできない。日常生活には親の援助が必要。

何が改善されたのか

特に改善されたのは次の点です。

おもて面

  • 時系列が整理された
  • 感情論ではなく事実が中心の記載になった
  • 就労歴が具体的に記載された
  • 「何ができないのか」が記載された

うら面

日常生活状況のチェック欄が適切に改善されました。

仕事をしていない理由が適切に改善されました。

まとめ

うつ病の病歴・就労状況等申立書は、世の中への恨みつらみを詳細に記述するための書類ではありません。

これは、双極性障害でも統合失調症でも同じです。

まずは時系列を整理し、

感情論ではなく事実を中心に記載し、

生活状況や就労状況を具体的に記載し、

「何ができないのか」が審査側に伝わるようにしましょう。

もちろん、診断書や受診状況等証明書の記載内容と矛盾がないように作成することが大前提です。