障害年金の初診日証明のための資料|解説と事例

この記事の内容

初診日証明について、こんなお困りごとはありませんか?

  • 初診日のカルテが廃棄され、残っていない
  • 初診日の医療機関がすでに閉院している

このような場合、せっかくの障害年金請求がスタート直後に頓挫してしまいます。

でも、簡単に諦めないでください。

初診日を証明する何らかの方法があるかもしれません。

この記事で、日本年金機構の資料を一緒に見ていきましょう。

あなたに合った初診日証明の方法が見つかるかもしれません。

この記事で参考とした資料

障害年金の初診日の認定に関する事例集 平成27年9月 日本年金機構 給付企画部

🔗150929_12-2.pdf

↑愛媛県精神保健福祉士会のページ(PDFの45枚目~77枚目)に掲載されている資料をもとに作成しました。

この記事の構成

この記事では、初診日証明に用いる資料別にポイントや事例等を確認していきます。

具体的には次の資料です。

  • 2番目以降に診療を受けた医療機関の医証
  • 紹介状(診療情報提供書)
  • 身体障害者手帳等の申請時の診断書
  • 身体障害者手帳等
  • 医療機関の受付簿等
  • 医療機関発行の診察券
  • 20歳前の受診が確認できる場合
  • その他の資料
  • 第三者証明書(20歳以降に初診日がある場合)
  • 第三者証明書(20歳前に初診日がある場合の障害基礎年金)
もくじ

2番目以降に診療を受けた医療機関の医証

資料解説

・医証とは、診断書や受診状況等証明書など、医療機関の証明がある書類のこと。

・医証には、日本年金機構が定める様式以外の診断書も含まれる。

・2番目以降に診療を受けた医療機関の医証に「初診日の手掛かりとなる記載があるかどうか」が重要

初診日を認めるポイント

・記載根拠(診療録等)の作成時期が、障害年金の請求日の5年以上前であること。

・記載根拠(診療録等)の作成時期が5年以上前ではないが相当程度前である場合、他の資料との組み合わせとなる。

注意事項

・初診日について「年月」まで特定できるが「日」が不明である場合、その月の月末が初診日となる。

ただし、当該月内に異なる年金制度(国民年金と厚生年金など)に加入している場合は、その月の月末とはならない。

・医証に「●年頃」のように「年」までしか記載されていない場合、その医証のみでは初診日として認められない。

ただし、「●年の春頃」のように季節まで記載されている場合は、以下の日付が初診日となる。

  • 冬:2月末日
  • 春:5月末日
  • 夏:8月末日
  • 秋:11月末日

事例1(慢性関節リウマチ)

概要

これは、2番目に受診した医療機関の受診状況等証明書から、初診が年月まで特定できた事例。

請求:平成27年10月

請求傷病:慢性関節リウマチ

申立て初診日:平成7年5月頃

判定

①2番目に受診(平成14年5月15日初診)した医療機関の受診状況等証明書(医証)に、「H7年5月より他院へ通院」という記載があった。

②平成7年5月は全期間厚生年金保険の被保険者であった。※1

・上記①②により、本人申立ての初診日(平成7年5月頃)を認められた。

・本人申立ての初診日は「平成7年5月頃」のため、月末の平成7年5月31日が初診日として認定された。※2

※1の補足

5月のどの日が初診日であっても必ず障害厚生年金の請求になるということ。

仮に5月中に厚年加入期間と国年加入期間の両方があれば、厚年加入期間を初診日とするためにはより詳細な資料が必要となる。

※2の補足

基本的に、月まで確認できたときは「その月の末日」が初診日になる。

ただし、同じ月に異なる年金制度(例えば厚年と国年)に加入している場合は、当該月の月末が初診日とはならない。

ポイント

2番目の医療機関の受診状況等証明書の「H7年5月より他院へ通院」という記載は、次の①②により初診日であると判断された。

①2番目の医療機関の初診日(平成14年5月15日)に本人が申し立てたものであること

②記載根拠(診療録等)が、障害年金の請求日の「5年以上前」であること

加えて、平成7年5月は全期間が厚生年金の被保険者期間であったため、5月末日が初診日として認定された。

ひとこと

5年以上前の記録の重要性がよくわかる事例だと思います。

事例2(統合失調症)

概要

これも、2番目に受診した医療機関の受診状況等証明書から、初診が年月まで特定できた事例。

請求:平成27年11月

請求傷病:統合失調症

申立て初診日:平成2年11月頃

判定

①2番目に受診(平成4年10月初診)した医療機関の受診状況等証明書(医証)に、「非定型精神病の疑い。平成2年5月頃から被害妄想や周囲への過敏性を認めた。当時は自然軽快したが、同年11月より同様の症状を認め、近医(XXクリニック)抗精神病薬開始となった」との記載があった。

なお、2番目の医療機関の受診期間は、平成4年10月~平成23年5月であった。

②平成2年11月は、全期間が厚生年金の被保険者だった。※3

上記①②により、本人申立ての初診日(平成2年11月頃)が認められ、月末の平成2年11月30日が初診日となった。※4

※3の補足

11月のどの日が初診日であっても必ず障害厚生年金の請求になるということ。

仮に同月中に厚年加入期間と国年加入期間の両方があれば、厚年加入期間を初診日とするためにはより詳細な資料が必要となる。

※4の補足

基本的に、月まで確認できたときは「その月の末日」が初診日になる。

ただし、同じ月に異なる年金制度(例えば厚年と国年)に加入している場合は、当該月の月末が初診日とはならない。

ポイント

・2番目の医療機関に受診した期間は、請求日より5年以上前

・2番目の医療機関の受診状況等証明書は「初診時の診療録」より作成されたものであり、請求日より5年以上前に作成された資料(診療録)にもとづき作成されたものであることが確認できる。

・加えて、請求傷病「統合失調症」と「非定型精神病疑い」の相当因果関係が認められ、近医(XXクリニック)の受診が初診とされた。

ひとこと

こちらも、5年以上前の記録の重要性がよくわかる事例だと思います。

紹介状(診療情報提供書)

資料解説

何らかの理由により医療機関を変更する場合、もともと受診していた医療機関から紹介状や診療情報提供書が発行されることがある。

この場合、転医先の医療機関に、前医からの紹介状や診療情報提供書が保管されていることがある。

初診日を認めるポイント

基本的に、上記の「2番目以降に診療を受けた医療機関の医証」と同じ扱い。

注意事項

・どの医療機関がいつ作成したものであるのかについて、明確に確認できる必要がある。

・紹介状(診療情報提供書)に、もっと前の受診の記録(「前医」の記載)があることがある。その場合、上記の「2番目以降に診療を受けた医療機関の医証」と同じ考え方となる。

ひとこと

初診日の医療機関が発行した紹介状(診療情報提供書)に初診日に関する明確な記載があれば、受診状況等証明書と同じ扱いになるかと思います。その場合、初診日証明の有力な資料となるでしょう。

身体障害者手帳(障害者手帳)等の申請時の診断書

資料解説

身体障害者手帳等の交付を受けている場合、診断書等を提出した市区町村の窓口にて、診断書の写しの交付を受けることができる可能性がある。

また、本人がコピーを保管している場合もある。

初診日を認めるポイント

基本的に、上記の「2番目以降に診療を受けた医療機関の医証」と同じ扱い。

注意事項

・基本的に、上記の「2番目以降に診療を受けた医療機関の医証」と同じ扱い。

身体障害者手帳(障害者手帳)等

資料解説

・障害者手帳では、交付年月日、障害等級、等級変更履歴、傷病名(身体障害者手帳のみ)等が確認できる。

・更新前の手帳も参考になる。

初診日を認めるポイント

・他の資料との組み合わせで初診日が認定される。

たとえば、「交付年月日より前の日付が確認できる診察券」とのセット、「医療機関の受付簿」とのセット等。

注意事項

・取得可能な「医証」、「紹介状の写し」、「障害者手帳申請時の診断書の写し」等から初診日が確認できない場合のみ、審査の参考資料となる。

・20歳前に障害者手帳が交付されている場合には、後述の「20歳前の受診が確認できる場合」による初診日判断となる。

事例1

次の2点の組み合わせにより、平成4年7月10日が初診日として認定された。

  • 大腿骨骨折による左下肢機能全廃の身体障害者手帳(交付日:平成4年11月24日)
  • 傷病名の記載がない整形外科の診察券(初診日:平成4年7月10日)

事例2

次の3点の組み合わせにより、平成18年3月31日が初診日として認定された。

  • 脳出血後遺症による右上肢・下肢機能障害の身体障害者手帳(交付日:平成18年8月9日)
  • 入院記録により記載された受診状況等証明書(入院期間:平成18年3月31日~5月15日、傷病名及び診療担当科不明)
  • 救急搬送により即日入院したとの本人の申立て

医療機関の受付簿等

資料解説

カルテがなくても、医療機関の受付簿等の証拠書類があれば初診日証明の手掛かりとなる。

初診日を認めるポイント

・あくまで医療機関の記録にもとづいての記載であること。

・請求傷病と関係のある診療科の記載があること。

・原則として、他の資料との組み合わせでの初診日認定となる。

注意事項

・請求傷病と関係のある診療科の受診が確認できない場合は、有効な資料とはならない。

・取得可能な「医証」、「紹介状の写し」、「障害者手帳申請時の診断書の写し」等から初診日が確認できない場合のみ、審査の参考資料となる。

・医学的見地からの、医証(診断書等)との整合性や妥当性が重要。

事例1(統合失調症)

平成27年12月、統合失調症にて年金請求。

次の資料により、初診日は昭和57年7月3日と認定された。

  • 受診状況等証明書はあるものの、治療内容や経過の概要は不明
  • 医療機関が管理する新患名簿に、傷病名「Sz(精神分裂症)」、初診年月日「昭和57年7月3日」と記載あり

事例2(統合失調症)

平成27年11月統合失調症にて年金請求。

下記により、初診日は平成16年11月9日と認定された。

  • 初診医療機関の医証なし
  • 初診医療機関の確認印がある受診受付簿に、初診(平成16年11月9日)の記載あり
  • 受診受付簿に「傷病名は不明」の記載あるも、受診医療機関は精神科単科
  • 初診日が診断書の初診日と一致

ポイント

  • 受診医療機関が精神科単科であることから、請求傷病と同一であるとして初診日認定
  • 受付簿等の写しは、医療機関の確認印があることが望ましい

医療機関発行の診察券

資料解説

カルテ廃棄や廃院等により受診状況等証明書を添付できず、手帳用の診断書の写し等も添付できない場合、初診日や診療日の記載がある診察券が参考資料となる。

初診日を認めるポイント

・診療科と初診年月が確認できる必要がある。

・医学的見地から請求傷病により受診した可能性が高いと考えられる場合、単独で初診日証明資料となり得る(たとえば、請求傷病が「統合失調症」、診察券の診療科が「精神科」である場合等)。

・内科や耳鼻科等の傷病名を特定しにくい診察券であっても、参考となる他の資料とあわせて初診日証明資料となり得る。

注意事項

・総合病院や大学病院等の診察券の場合、受診した診療科の名称が記載されていること。

・取得可能な「医証」、「紹介状の写し」、「障害者手帳申請時の診断書の写し」等から初診日が確認できない場合のみ、審査の参考資料となる。

・医学的見地からの、医証(診断書等)との整合性や妥当性が重要。

事例1(統合失調症)

統合失調症で2級と認定されたケース

・請求傷病は統合失調症

・受診状況等証明書は取得不可(廃院のため)

・参考資料として診察券を添付

・診察券発行医療機関は、精神科単科

・初診日は平成18年10月29日と認定された

事例2(両側感音性難聴)

両側感音性難聴で2級と認定されたケース

・カルテ等の診療録が残っておらず、診察券に記載された初診日(平成7年4月25日)が認定された。

・診察券から耳鼻咽喉科を受診したことが確認でき、請求傷病にて受診したと推認できることから証拠書類の一つとなった。

20歳前の受診が確認できる場合

考え方の解説

20歳前障害基礎年金請求の審査においては、

医証や参考資料から少なくとも20歳前に受診していることが明らかな場合は、

本人の申立てにより初診日が推認される。

初診日を認めるポイント

20歳前障害基礎年金請求の審査において、

医証や参考資料(身体障害者手帳等の交付日等)から少なくとも20歳前に受診していることが明らかな場合は、

初診日の判断にあたり年金請求書及び病歴・就労状況等申立書に記載してある本人の申し立てた初診日を確認し、

他の書類と比較して不整合がない場合は、

その日を初診日と判断し、

20歳前障害基礎年金を裁定する。

注意事項

・初診日を確認するための資料は必ずすべて確認のうえ、取得可能なものは整備。

・20歳より前に受診していることが明らかであるかどうかの判断は、認定医の医学的判断が必須。

事例1(てんかん精神病)

・平成27年12月(29歳時)に「てんかん精神病」で請求。

・本人が申立てた初診日(平成8年12月頃)は診療録の保存がされていなかったため、初診医療機関の証明は提出できなかった。

・しかし、3番目に受診した医療機関に係る「受診状況等証明書」から、平成12年7月9日(14歳時)に受診していることが確認できた。

・そのため、本人申立ての初診日を初診日として認定した。

【ポイント】

本人申立ての初診日が「平成8年12月頃」のため、認定する初診日は月末の平成8年12月31日となる。

事例2(両側感音性難聴)

・平成27年12月(37歳時)に「両側感音性難聴」で請求。

・本人が申立てた初診日(昭和56年3月頃)は診療録の保存がされていなかったため、初診医療機関の証明は提出できなかった。

・しかし、「身体障害者手帳(写)(傷病名:感音性難聴 2級)」が6歳時に交付されており、少なくとも20歳より前に受診していることが明らかであった。

・そのため、本人申立ての初診日を初診日として認定した。

【ポイント】

・身体障害者手帳は交付時に診断書を提出するため、少なくとも交付日より前に医療機関を受診していることが推認できる。

・身体障害者手帳に記載されている傷病名等を確認し、同一傷病であることを確認。

・同一傷病であることが確認できない場合、申請時の診断書(写)等を確認し、「身体障害者手帳申請に係る傷病」と「障害年金請求に係る傷病」との間に相当因果関係が認められるかを認定医が判断。

事例3(広汎性発達障害)

・平成27年10月(21歳時)に「広汎性発達障害」で請求。

・本人が申立てた初診日(平成17年10月23日)は、廃院のため初診医療機関の証明が提出できなかった。

・しかし、「精神障害者保健福祉手帳申請時の診断書(写)」から、少なくとも20歳前に受診していることが明らかであった。

・そのため、本人申立ての初診日を初診日として認定した。

【ポイント】

・精神障害者保健福祉手帳は交付時に診断書を提出するため、少なくとも交付日より前に医療機関を受診していることが推認できる。

・請求傷病と相当因果関係がある傷病により精神障害者保健福祉手帳が交付されているか。

その他の資料

資料解説

診療録等の証明書類が残っていない場合、請求傷病と関連のある傷病の記載がある資料があれば、参考資料の一つとして取り扱うかどうかが確認される。

初診日を認めるポイント

・初診日が特定できる場合、参考となる他の資料がなくとも、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

・身体障害者手帳等の交付日等、参考となる他の資料とあわせて、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

注意事項

・取得可能な医証から初診日が確認できない場合のみ、審査の参考資料となる。

その他の資料の例

臨床調査個人票

難病医療費助成制度を都道府県へ申請する際に添付する診断書。

発病日等の記載内容から、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書

保険金等を請求する際に添付する診断書。

事故発生年月日、療養開始日等の記載内容から、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

救急傷病者搬送証明書

消防署等で交付される、救急車で搬送されたことの証明。

事故発生年月日、療養開始日等の記載内容から、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

交通事故証明書

自動車安全運転センター等で交付される、交通事故が発生したことの証明。

障害の原因が交通事故である場合、交通事故証明書により事故発生年月日を確認でき、初診日を確認するための参考資料となる。

※警察への届出のない交通事故の場合、発行されない。

交通事故等が掲載されている新聞記事

新聞記事の事故発生日や事故の当事者等の記載内容から、交通事故証明書が取得できない場合であっても、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

入院治療計画書(クリニカルパス)

医療機関が入院治療を行うにあたり、症状、傷病名及び治療計画等を事前に患者やその家族等に示す計画書。

記載された内容により、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

退院時要約(サマリー)

医療機関が、患者が退院する際に作成するもの。

入院から退院までの経過や治療内容を要約したもの。

記載された内容により、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

手術承諾書

医師が傷病名、手術等実施内容及びその必要性等を説明したうえで、手術等を実施することに対する同意書類。

記載された内容により、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

お薬手帳

処方薬名、処方年月日、処方箋を発行した医療機関名が記載されている。

処方された薬の詳細が記載されていることから、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

糖尿病手帳

医療機関において配布しており、受診状況、検査結果、治療内容及び療養の指導等の内容を確認することができる。

記載された内容により、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

母子手帳

妊娠からの経過を記載することになっている。

血圧や浮腫、尿蛋白の測定結果等から、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

医療機関発行の領収書

診療科名、診療内訳及び受診日等の記載内容から、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

レセプト(診療報酬明細書)

保健医療機関や保険薬局が保険者に請求する医療費の明細書。

傷病名等の記載内容から、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

生活保護台帳

市町村において作成。

障害者手帳の交付年月日等から、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

小学校・中学校等の健康診断の記録や成績通知表

小・中学校の健康診断の記録や、成績通知表の記載内容から、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

盲学校・ろう学校の在学証明・卒業証書

先天性の病気であることや初診日が20歳前であることなどの記載内容から、初診日を確認するための参考資料となる場合がある。

第三者証明書(20歳以降に初診日がある場合)

資料解説

・「第三者」とは、請求者の「民法上の3親等以内の親族」を除く人。

・第三者の証明書には、少なくとも「医療機関に受診していた時期」、「当時の傷病の概要」及び「当該事実関係の聞き取り時期」の記載が必要。

初診日を認めるポイント

・原則、複数の第三者証明により確認。

・第三者証明には、「申立者が請求者の受診状況を直接見て認識していた場合」と「請求者やその家族から聞いて知った場合(伝聞)」がある。

・聞いた時期が初診日頃ではない伝聞の場合、原則、請求時からおおむね5年以上前に聞いていたことが必要。

・第三者が初診日頃の受診状況を直接把握できる立場の医療従事者であった場合は、当該第三者証明のみで初診日が認められることがある。

・第三者証明を提出する場合、可能な範囲で参考となる他の資料も幅広く提出する。

【第三者証明で確認されるポイント】

①第三者に関する事項(氏名、住所、請求者との関係等)

②受診状況に関する事項(初診の時期、受診の契機、受診時の状況、医療機関名や診療科、傷病名等)

③請求者の状況等に関する事項(初診日頃の症状の経過、日常生活や就労への支障の度合い等)

④受診状況等を知り得た状況(いつ、どのような状況で見聞きしたのか等)

注意事項

・初診日を確認するための資料は必ずすべて確認し、取得可能なものは整備。

・聞いた時期が初診日頃ではない伝聞による場合で、請求時からおおむね5年以内に聞いているものは、原則第三者証明として認められない。ただし、他の資料があわせて提出され、初診日が合理的に推定できる場合は、第三者証明として認められることがある。

・第三者証明書は、それ単独では初診日の認定は行われない。健診結果など他の参考資料とあわせて、初診日が妥当であるか判断される。

・第三者証明の内容に疑義が生じた場合、第三者に電話等による確認がなされることがある。

事例1(双極性障害)

概要

・平成28年5月(31歳時)に「双極性障害」で請求。

・本人申立ての初診日(平成20年8月頃)は、廃院のため医療機関の証明は提出できなかった。

・請求者は、近隣住民と友人の「第三者証明」及び当時受診していた精神科クリニックの「診察券(写)(記載された発行年月日:平成20年8月3日)」を提出。

・本人申立ての初診日(平成20年8月頃)が認められ、平成20年8月3日が初診日となった。

ポイント

次の①~③の内容について第三者証明から確認したところ、受診時期については「年」及び季節「夏頃」と確認することができた。

加えて、診療科が確認できる「診察券(写)」より、「平成20年8月3日」に受診を開始していることが確認できた。

これを勘案し、初診日を「平成20年8月3日」と判断。

①受診時期:平成20年8月頃

②聞き取り時期:診察当時

③傷病の概要:大学卒業後に就職したが、入社後数か月で体調を崩し、休職したのち退職した。

近隣住民の第三者証明の内容

【初診日と思われる年月日】

平成20年夏頃

【当時の状況】

請求者は、自分の子供と同級生であったため、小さい頃から見知っている。

大学卒業後の平成20年に就職したと聞いたが、その年の夏頃に顔を合わせた際、憔悴した様子であった。

請求者の母親に聞いたところ、仕事や人間関係で悩んでおり、精神科の病院に通っており、医師の指示で休むようになったとのことであった。

友人の第三者証明の内容

【初診日と思われる年月日】

平成20年8月頃

【受診医療機関】

○○メンタルクリニック

【当時の状況】

私は○○メンタルクリニックに受診しており、請求者とは待合室で何度か顔を合わせるうちに話をするようになった。

請求者からは、当時、就職したものの会社の雰囲気に付いていけず、体調を崩し、平成20年8月から通院するようになったと聞いた。

また、その後、その会社は退職したと聞いた。

事例1の診察券

事例2(統合失調症)

概要

・平成27年11月(35歳時)に「統合失調症」で請求。

・本人申立ての初診日(平成18年8月3日)は、廃院のため医療機関の証明は提出できなかった。

・当時診察していた医師の「第三者証明」により、本人が申立てている初診日が明らかであり、一つの第三者証明で「平成18年8月3日」が初診日として認定された。

ポイント

・初診日時点で診察していた医師による証明。

・次の①~③の内容について詳細な記述があり、病歴や治療経過と整合性があると判断された。そのため、一つの第三者証明で初診日を認定。

①受診時期:平成18年8月3日

②直接的に見て認識した時期:初診日当時

③傷病の概要:統合失調症と診断し、外来治療を行う。その後、症状が増悪したことから他院を紹介する。

初診日時点に診察していた医師の第三者証明の内容

【初診日と思われる年月日】

平成18年8月3日

【初診医療機関名】

○○メンタルクリニック

【当時の状況】

○○メンタルクリニックにおいて、平成18年8月3日初診の○○さんを診察し、統合失調症と診断しました。

その後、外来治療を行いましたが、症状が増悪したため、平成18年10月10日に入院目的で▲▲病院に紹介しました。

(※初診時所見、外来の治療内容等について詳細な記述あり。)

第三者証明書(20歳前に初診日がある場合の障害基礎年金)

資料解説

・「第三者」とは、請求者の「民法上の3親等以内の親族」を除く人。

・第三者の証明書には、少なくとも「医療機関に受診していた時期」、「当時の傷病の概要」及び「当該事実関係の聞き取り時期」の記載が必要。

初診日を認めるポイント

・原則、複数の第三者証明により確認。

・初診日を証明する書類が第三者証明のみであっても、第三者証明の内容を総合的に勘案のうえ、請求者申立ての初診日が認められることがある。

・第三者証明には、「申立者が請求者の受診状況を直接見て認識していた場合」と「請求者やその家族から聞いて知った場合(伝聞)」がある。

・聞いた時期が初診日頃ではない伝聞の場合、原則、請求時からおおむね5年以上前に聞いていたことが必要。

・第三者証明を提出する場合、可能な範囲で参考となる他の資料も幅広く提出する。

【第三者証明で確認されるポイント】

①第三者に関する事項(氏名、住所、請求者との関係等)

②受診状況に関する事項(初診の時期または20歳前の受診の時期、受診の契機、受診時の状況、医療機関名や診療科、傷病名等)

③請求者の状況等に関する事項(初診日頃または20歳前の症状の経過、日常生活の支障の度合い等)

④受診状況等を知り得た状況(いつ、どのような状況で見聞きしたのか等)

注意事項

・初診日を確認するための資料は必ずすべて確認し、取得可能なものは整備。

・聞いた時期が初診日頃ではない伝聞による場合で、請求時からおおむね5年以内に聞いているものは、原則第三者証明として認められない。ただし、他の資料があわせて提出され、初診日が合理的に推定できる場合は、第三者証明として認められることがある。

・第三者証明の内容に疑義が生じた場合、第三者に電話等による確認がなされることがある。

事例1(関節リウマチ)

概要

・平成27年11月(54歳時)に「関節リウマチ」で請求。

・本人申立ての初診日(昭和52年7月頃)は、診療録廃棄のため医療機関の証明は提出できなかった。

・当時通学していた高校の担任及び同級生の第三者証明に記載された傷病の発生年月日等から、本人が申立てている昭和52年7月頃が認められ、昭和52年7月31日が初診日となった。

ポイント

次の①~③の内容について第三者証明から確認したところ、受診した「年」と季節は確認することができた。

友人の申立てた第三者証明に「昭和52年、○○高等学校で一年生のとき、夏休みに○○病院への通院に付き添ったことがあります。」との記載あり。

これを勘案し、初診日を「昭和52年7月頃」と判断。

①受診時期:昭和52年頃

②聞き取り時期:診察当時

③傷病の概要:左膝関節硬直により、体育の授業は見学しており、そのための診断書を高校に提出している。

当時の担任の第三者証明の内容

【初診日と思われる年月日】

昭和52年頃

【受診医療機関名】

○○病院

【当時の状況】

昭和52年4月より、○○高等学校で□□さんの学級担任をしておりました。

当時、○○病院への通院による遅刻・早退がありました。

また、体育の授業では診断書(病名:左膝関節硬直)を提出して見学していました。

当時の友人の第三者証明の内容

【初診日と思われる年月日】

昭和52年夏頃

【受診医療機関名】

○○病院

【当時の状況】

昭和52年、○○高等学校で一年生のとき、夏休みに、○○病院への通院に付き添ったことがあります。

膝に負担がかからないよう、包帯を巻いて固定されていました。

また、バス通学の乗り降りは不自由そうでした。

その後も体育の授業はいつも見学していました。

事例2(症候性てんかん)

概要

・平成27年11月(59歳時)に「症候性てんかん」で請求。

・本人申立ての初診日(昭和50年10月20日)は、診療録廃棄のため医療機関の証明を提出できなかった。

・当時のアルバイト先の雇主及び友人の第三者証明により、本人が申立てている初診日が妥当であると判断され、昭和50年10月20日が初診日として認定された。

ポイント

次の①~③の内容について第三者証明から確認。

病歴や治療経過を確認のうえ、申立ての整合性が妥当であるか確認。

①受診時期:バイク事故日

②聞き取り時期:事故当時

③傷病の概要:事故後、1年程度入院し、その後てんかん発作を起こしている。

当時の雇主の第三者証明の内容

【初診日と思われる年月日】

昭和50年10月20日

【受診医療機関名】

○○病院

【当時の状況】

19歳時、バイク事故を起こした当時は、アルバイトの雇用主であった。

事故後、○○病院に12か月入院し、その後▲▲病院に2~3か月程度通院していた。

通院期間中も、仕事中に度々てんかん発作を引き起こし、病院にかつぎこまれることがあった。

当時の友人の第三者証明の内容

【初診日と思われる年月日】

昭和50年10月20日

【受診医療機関名】

○○病院

【当時の状況】

バイク事故を起こした後、○○病院に1年ほど入院していた。

その後▲▲病院に2~3か月程度通院していた。

その当時、一緒にいるときにてんかん発作を引き起こして病院に運び込まれることがありました。

まとめ

この記事では、「障害年金の初診日の認定に関する事例集 平成27年9月 日本年金機構 給付企画部」の内容をもとに、障害年金の初診日証明になり得る資料について見てきました。

あなたに合った初診日証明の方法は見つかりましたか?


初診日の医療機関で受診状況等証明書を取得できなくても、諦めるのはまだ早いかもしれません。

あなたの初診日を証明する何らかの方法が、あるかもしれません。

集められる資料は、とにかく何でも集めてみましょう。


もしよくわからなければ、社労士に相談するのも一つの方法です。

あるいは、年金事務所に相談してみてもよいでしょう。

いずれにせよ大切なのは、

「初診日の医療機関で受診状況等証明書を取得できない」というだけですぐに諦めないことです。