障害年金の「年金請求書」に不備があったとき

この記事の内容

障害年金の「年金請求書」に不備があった場合、記載事項についての照会等が行われます。

この記事では、よくある不備についてご紹介します。

年金請求書の部分抜粋

次の画像は、年金請求書の部分抜粋です。

上側が障害基礎年金を請求する際のもの、下側が障害厚生年金を請求する際のものです。

両方に共通して、(1)欄と(3)欄に不備がみられることが多くあります。

【障害基礎年金用】

年金請求書(障害基礎年金)の部分抜粋

【障害厚生年金用】

年金請求書(障害厚生年金)の部分抜粋

請求事由区分の不備

障害基礎年金用と障害厚生年金用の両方に共通して、(1)欄は不備がよくある箇所です。

これは、障害認定日による請求か、あるいはそれ以外の事由による請求かを示す箇所ですが、記入漏れや正しく○が付いていないことがあります。

具体的には、次のような場合です。

・「3.初めて障害等級の1級または2級に該当したことによる請求」に○が付いているものの、先発傷病に関する診断書が添付されていない。

・「1.障害認定日による請求」に○が付いているものの、障害認定日の診断書が添付されていない。

このような場合には、必要な診断書の提出が求められることになります。

※ 請求書を訂正する場合は、修正液等ではなく、二重線を引きます。訂正の押印は不要です。

傷病名と診断書の不備

障害基礎年金用と障害厚生年金用の両方に共通して、(3)欄も不備がよくある箇所です。

ここは、障害の原因となった傷病名等を記入する欄です。たとえば、次のような不備があります。

・複数の傷病名が記載してありながら、すべての傷病の診断書が添付されていない。

・複数の傷病の診断書が添付されているものの、対応する傷病名が記載されていない。

どちらの場合も、その傷病について請求意思があるのかないのか、確認が行われることとなります。

なお、ひとつの「年金請求書」で複数の傷病の障害給付を請求することができます。

この場合、それぞれの傷病について、初診証明、病歴・就労状況等申立書、診断書を添付して請求することとなります。

発病日・初診日等の不備

障害基礎年金用と障害厚生年金用の両方に共通して、(3)欄の「傷病の発生した日」や「初診日」などに記載漏れがある場合もあります。このときは、請求者に照会が行われます。

また、それらはきちんと記載してあるものの、初診等を証明する医師の証明(医証)が添付されていないこともあります。

このときは、傷病の性質や被保険者期間等を総合的に勘案して、初診日が被保険者期間内であると判断できない場合は、請求が却下されることとなります。

診断書や請求書の記載不備、添付書類漏れ

診断書の現症日に漏れや誤りがあるとき、あるいは、診断書の内容と病歴・就労状況等申立書の内容が整合しないときなどは、返戻されます。

また、遡及請求の場合で添付書類が不足しているときなども、不備として返戻されます。

たとえば、障害認定日から1年以上経過した障害認定日請求の場合は、「障害給付請求事由確認書」を添付する必要があります。これは、障害認定日に障害等級に該当しない場合、請求事由を事後重症請求とする意思確認のためです。

また、障害認定日から5年以上経過した障害認定日請求の場合は、「年金裁定請求の遅延に関する申立書」を添付する必要があります。これは、年金給付を受ける権利の時効が5年であることの確認のためです。

参考リンク

▶ 障害基礎年金を請求するとき|日本年金機構 (nenkin.go.jp)
  ↑↑↑ 請求書の書き方動画あり ↑↑↑

▶ 障害厚生年金を請求するとき|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

▶ 市区町村国民年金担当者向け情報誌「かけはし」 (nenkin.go.jp)