精神の障害に係る等級判定ガイドラインとは

精神障害や知的障害の認定は、明確な基準(検査数値など)を定めることが難しく、よって一律な認定も難しいものとなっています。

また、障害基礎年金の審査は、かつて都道府県ごとに行われており、地域によって支給・不支給の決定に差が生じていました。その地域差を解消するため、平成28年9月から「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン(以下、「ガイドライン」)」が運用されています。

等級のおおよその目安がわかる

このガイドラインに記載されている「障害等級の目安」と診断書の記載内容を照らし合わせることにより、障害等級の何級に該当するか、おおよその目安がわかるようになっています。

ただし、これはあくまで目安であり、実際の認定は、療養状況や生活環境、就労状況などを考慮して総合的に判断される点に注意が必要です。

また、総合的な判断の際に具体的にどのようなことが考慮されるのかについて、ガイドラインには「総合評価の際に考慮すべき要素の例」が記載されています。

つまり、障害の程度の認定の際には、「障害等級の目安」を参考としつつ、「総合評価の際に考慮すべき要素」を考慮したうえで、総合的に判定が行われることになります。

以下にガイドラインの一部を引用します。繰り返しになりますが、「等級判定の目安」はあくまで目安であることに注意しましょう。

第3 障害等級の判定

障害認定基準に基づく障害の程度の認定については、このガイドラインで定める後記1の「障害等級の目安を参考としつつ、後記2の「総合評価の際に考慮すべき要素の例」で例示する様々な要素を考慮したうえで、障害認定診査医員(以下「認定医」という。)が専門的な判断に基づき、総合的に判定する(以下「総合評価」という。)。
総合評価では、目安とされた等級の妥当性を確認するとともに、目安だけでは捉えきれない障害ごとの特性に応じた考慮すべき要素を診断書等の記載内容から詳しく診査したうえで、最終的な等級判定を行うこととする。

国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン

注意

障害年金の請求は、診断書の点取りゲームではありません。

てんかんはガイドラインの対象外

このガイドラインは「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」です。

当然、精神科系の疾患が対象になるわけですが、「てんかん」については対象傷病から除外されています。

なぜかというと、てんかんについては発作の重症度と頻度等で等級判定が行われるものであり、それに関してはガイドラインによらずとも、すでに障害認定基準に規定されているからです。

障害等級の目安の求め方

ガイドラインでは、診断書ウラ面の「日常生活能力の判定」の評価と「日常生活能力の程度」の評価をもとに、何級に相当するかの目安が確認できるようになっています。

日常生活能力の判定(赤枠部分)
日常生活能力の程度(赤枠部分)

🔗診断書(精神の障害用)

目安を確認するための表と、その表の見方は下記の通りです。

表の見方

縦軸の「判定平均」は、診断書のウラ面左側にある「2 日常生活能力の判定」の4段階評価について、程度の軽い方から1~4の数値に置き換え、その平均を算出したものです。

横軸の「程度」は、診断書のウラ面右上にある「3 日常生活能力の程度」のことです。

「程度」と「判定平均」の交わる箇所が、該当する障害等級の目安となります。

表内の「3級」については、障害基礎年金では「2級非該当」と置き換えます。

障害等級の目安のもとになる評価項目

繰り返しになりますが、障害等級の目安は、診断書ウラ面の「日常生活能力の判定」の評価と「日常生活能力の程度」の評価をもとに求められます。

🔗診断書(精神の障害用)

では、それらはどのような評価項目なのでしょうか。順に見ていくことにしましょう。

日常生活能力の判定

まず、「日常生活能力の判定」についてです。

日常生活能力の判定(赤枠部分)

診断書に記載のあるとおり、いずれの項目も、一人暮らしをするとしたら可能かどうかを医師が判断します。

※ 身体的機能の障害に起因する能力の制限(たとえば下肢麻痺による歩行障害など)は、この診断書による評価の対象としません。

※ 「できる」とは、日常生活および社会生活を行う上で、他者による特別の援助(助言や指導)を要さない程度のものを言います。また、「行わない」とは、介護者に過度に依存して自分でできるのに行わない場合や、性格や好き嫌いなどで行わないことは含みません。

以下、「障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領」からの抜粋です。

🔗診断書(精神の障害用)記載要領

1や2が多いと、認定基準に該当しない可能性が高くなります。

(1)適切な食事

※ 嗜癖的な食行動(たとえば拒食症や過食症)をもって「食べられない」とはしない。

1 できる
栄養のバランスを考え適当量の食事を適時にとることができる。(外食、自炊、家族・施設からの提供を問わない)

2 自発的にできるが時には助言や指導を必要とする
だいたいは自主的に適当量の食事を栄養のバランスを考え適時にとることができるが、時に食事内容が貧しかったり不規則になったりするため、家族や施設からの提供、助言や指導を必要とする場合がある。

3 自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
1人では、いつも同じものばかりを食べたり、食事内容が極端に貧しかったり、いつも過食になったり、不規則になったりするため、経常的な助言や指導を必要とする。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
常に食事へ目を配っておかないと不食、偏食、過食などにより健康を害するほどに適切でない食行動になるため、常時の援助が必要である。

(2)身辺の清潔保持

1 できる
洗面、整髪、ひげ剃り、入浴、着替え等の身体の清潔を保つことが自主的に問題なく行える。必要に応じて(週に1回くらいは)、自主的に掃除や片付けができる。また、TPO(時間、場所、状況)に合った服装ができる。

2 自発的にできるが時には助言や指導を必要とする
身体の清潔を保つことが、ある程度自主的に行える。回数は少ないが、だいたいは自室の清掃や片付けが自主的に行える。身体の清潔を保つためには、週1回程度の助言や指導を必要とする。

3 自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
身体の清潔を保つためには、経常的な助言や指導を必要とする。自室の清掃や片付けを自主的にはせず、いつも部屋が乱雑になるため、経常的な助言や指導を必要とする。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
常時支援をしても身体の清潔を保つことができなかったり、自室の清掃や片付けをしないか、できない。

(3)金銭管理と買い物

※ 行為嗜癖に属する浪費や強迫的消費行動については、評価しない。

1 できる
金銭を独力で適切に管理し、1ヵ月程度のやりくりが自分でできる。また、1人で自主的に計画的な買い物ができる。

2 おおむねできるが時には助言や指導を必要とする
1週間程度のやりくりはだいたい自分でできるが、時に収入を超える出費をしてしまうため、時として助言や指導を必要とする。

3 助言や指導があればできる
1人では金銭の管理が難しいため、3~4日に一度手渡して買い物に付き合うなど、経常的な援助を必要とする。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
持っているお金をすぐに使ってしまうなど、金銭の管理が自分ではできない、あるいは行おうとしない

(4)通院と服薬

1 できる
通院や服薬の必要性を理解し、自発的かつ規則的に通院・服薬ができる。また、病状や副作用について、主治医に伝えることができる。

2 おおむねできるが時には助言や指導を必要とする
自発的な通院・服薬はできるものの、時に病院に行かなかったり、薬の飲み忘れがある(週に2回以上)ので、助言や指導を必要とする。

3 助言や指導があればできる
飲み忘れや、飲み方の間違い、拒薬、大量服薬をすることがしばしばあるため、経常的な援助を必要とする。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
常時の援助をしても通院・服薬をしないか、できない。

(5)他人との意思伝達及び対人関係

※ 1対1や集団の場面で、他人の話を聞いたり、自分の意思を相手に伝えたりするコミュニケーション能力や他人と適切につきあう能力に着目する。

1 できる
近所、仕事場等で、挨拶など最低限の人づきあいが自主的に問題なくできる。必要に応じて、誰に対しても自分から話せる。友人を自分からつくり、継続して付き合うことができる。

2 おおむねできるが時には助言や指導を必要とする
最低限の人づきあいはできるものの、コミュニケーションが挨拶や事務的なことにとどまりがちで、友人を自分からつくり、継続して付き合うには、時として助言や指導を必要とする。あるいは、他者の行動に合わせられず、助言がなければ、周囲に配慮を欠いた行動をとることがある。

3 助言や指導があればできる
他者とのコミュニケーションがほとんどできず、近所や集団から孤立しがちである。友人を自分からつくり、継続して付き合うことができず、あるいは周囲への配慮を欠いた行動がたびたびあるため、助言や指導を必要とする。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
助言や指導をしても他者とコミュニケーションができないか、あるいはしようとしない。また、隣近所・集団との付き合い・他者との協調性がみられず、友人等とのつきあいがほとんどなく、孤立している。

(6)身辺の安全保持及び危機対応

自傷(リストカットなど行為嗜癖的な自傷を含む。)や他害が見られる場合は、自傷・他害行為を本項目の評価対象に含めず、⑩障害の状態のア欄(現在の病状又は状態像)及びイ欄(左記の状態について、その程度・症状・処方薬等の具体的記載)になるべく具体的に記載してください。

1 できる
道具や乗り物などの危険性を理解・認識しており、事故等がないよう適切な使い方・利用ができる(例えば、刃物を自分や他人に危険がないように使用する、走っている車の前に飛び出さない、など)。また、通常と異なる事態となった時(例えば火事や地震など)に他人に援助を求めたり指導に従って行動するなど、適正に対応することができる。

2 おおむねできるが時には助言や指導を必要とする
道具や乗り物などの危険性を理解・認識しているが、時々適切な使い方・利用ができないことがある(例えば、ガスコンロの火を消し忘れる、使用した刃物を片付けるなどの配慮や行動を忘れる)。また、通常と異なる事態となった時に、他人に援助を求めたり指示に従って行動できない時がある。

3 助言や指導があればできる
道具や乗り物などの危険性を十分に理解・認識できておらず、それらの使用・利用において、危険に注意を払うことができなかったり、頻回に忘れてしまう。また、通常と異なる事態となった時に、パニックになり、他人に援助を求めたり、指示に従って行動するなど、適正に対応することができないことが多い。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
道具や乗り物などの危険性を理解・認識しておらず、周囲の助言や指導があっても、適切な使い方・利用ができない、あるいはしようとしない。また、通常と異なる事態となった時に、他人に援助を求めたり、指示に従って行動するなど、適正に対応することができない。

(7)社会性

1 できる
社会生活に必要な手続き(例えば行政機関の各種届出や銀行での金銭の出し入れ等)や公共施設・交通機関の利用にあたって、基本的なルール(常識化された約束事や手順)を理解し、周囲の状況に合わせて適切に行動できる。

2 おおむねできるが時には助言や指導を必要とする
社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用について、習慣化されたものであれば、各々の目的や基本的なルール、周囲の状況に合わせた行動がおおむねできる。だが、急にルールが変わったりすると、適正に対応することができないことがある。

3 助言や指導があればできる
社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用にあたって、各々の目的や基本的なルールの理解が不十分であり、経常的な助言や指導がなければ、ルールを守り、周囲の状況に合わせた行動ができない。

4 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
社会生活に必要な手続きや公共施設・交通機関の利用にあたって、その目的や基本的なルールを理解できない、あるいはしようとしない。そのため、助言・指導などの支援をしても、適切な行動ができない、あるいはしようとしない。

日常生活能力の程度

次に、「日常生活能力の程度」です。

日常生活能力の程度(赤枠部分)

以下、診断書(精神の障害用)ウラ面からの抜粋です。

🔗診断書(精神の障害用)

1や2にマルがついていると、認定基準に該当しない可能性が高いです。

精神障害の日常生活能力の程度

(1)精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。

(2)精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には、援助が必要である。
(たとえば、日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難を生じることがある。社会行動や自発的な行動が適切に出来ないこともある。金銭管理はおおむねできる場合など。)

(3)精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。
(たとえば、習慣化した外出はできるが、家事をこなすために助言や指導を必要とする。社会的な対人交流は乏しく、自発的な行動に困難がある。金銭管理が困難な場合など。)

(4)精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。
(たとえば、著しく適正を欠く行動が見受けられる。自発的な発言が少ない、あっても発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。金銭管理ができない場合など。)

(5)精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。
(たとえば、家庭内生活においても、食事や身のまわりのことを自発的にすることができない。また、在宅の場合に通院等の外出には、付き添いが必要な場合など。)

知的障害の日常生活能力の程度

(1)知的障害を認めるが、社会生活は普通にできる。

(2)知的障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には、援助が必要である。
(たとえば、簡単な漢字は読み書きができ、会話も意思の疎通が可能であるが、抽象的なことは難しい。身辺生活も一人でできる程度)

(3)知的障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。
(たとえば、ごく簡単な読み書きや計算はでき、助言などがあれば作業は可能である。具体的指示であれば理解ができ、身辺生活についてもおおむね一人でできる程度)

(4)知的障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。
(たとえば、簡単な文字や数字は理解でき、保護的環境であれば単純作業は可能である。習慣化していることであれば言葉での指示を理解し、身辺生活についても部分的にできる程度)

(5)知的障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。
(たとえば、文字や数の理解力がほとんど無く、簡単な手伝いもできない。言葉による意思の疎通がほとんど不可能であり、身辺生活の処理も一人ではできない程度)

総合評価の際に考慮すべき要素の例

障害等級の判定において、「障害等級の目安」と同様に重要なのがこの「総合評価の際に考慮すべき要素の例」です。

これは、診断書の記載項目を下記の5分野に区分し、その分野ごと、さらに障害種別ごとに考慮すべき要素とその例を示したものです。

  1. 現在の病状又は状態像
  2. 療養状況
  3. 生活環境
  4. 就労状況
  5. その他

注意点としては、この考慮すべき要素はあくまで例示であり、これがすべてではないということです。

例示にない診断書の記載内容についても同様に考慮され、そのうえで総合的に評価されます。

以下、ガイドラインから抜粋したものを記載します。

ここでは便宜的に「精神障害」「知的障害」「発達障害」の障害種別ごとに上記5分野について記載しています。

実際には…

実際問題として、以下の例示がどれだけ考慮されているのかは不透明です。

たとえば、一般就労をしていても支給されるような記述がありますが、実際には、一般就労ができていれば支給されないというのが「常識」であり、まあその通りなのだろうと思います。

あくまでガイドラインは「方針」「指針」であり、等級判定の方向性を示したものにすぎません。

このページで紹介しているガイドラインにも、これにより、精神障害及び知的障害に係る認定が「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」に基づき適正に行われるよう改善を図ることを目的とすると記載されています。ガイドラインは基準ではありません。

一方、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」には、精神の障害による障害の程度は、次により認定するという記載があり、ガイドラインが認定基準の補助的立ち位置にあることがわかります。

🔗精神障害の認定基準.pdf (nenkin.go.jp)

🔗等級判定ガイドライン.pdf (nenkin.go.jp)

精神障害

①現在の病状又は状態像(精神障害)

複数の精神疾患が併存しているとき

認定の対象となる複数の精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断する。

ひきこもりの場合

ひきこもりについては、精神障害の病状の影響により、継続して日常生活に制限が生じている場合は、それを考慮する。

統合失調症について

統合失調症については、療養及び症状の経過(発病時からの状況、最近1年程度の症状の変動状況)や予後の見通しを考慮する。

統合失調症については、妄想・幻覚などの異常体験や、自閉・感情の平板化・意欲の減退などの陰性症状(残遺状態)の有無を考慮する。

陰性症状(残遺状態)が長期間持続し、自己管理能力や社会的役割遂行能力に著しい制限が認められれば、1級または2級の可能性を検討する。

気分(感情)障害について

気分(感情)障害については、現在の症状だけでなく、症状の経過(病相期間、頻度、発病時からの状況、最近1年程度の症状の変動状況など)及びそれによる日常生活活動等の状態や予後の見通しを考慮する。

適切な治療を行っても症状が改善せずに、重篤なそうやうつの症状が長期間持続したり、頻繁に繰り返している場合は、1級または2級の可能性を検討する。

②療養状況(精神障害)

通院の場合

通院の状況(頻度、治療内容など)を考慮する。

薬物治療を行っている場合は、その目的や内容(種類・量(記載があれば血中濃度)・期間)を考慮する。また、服薬状況も考慮する。

通院や薬物治療が困難又は不可能である場合は、その理由や他の治療の有無及びその内容を考慮する。

入院の場合

入院時の状況(入院期間、院内での病状の経過、入院の理由など)を考慮する。

病棟内で、本人の安全確保などのために、常時個別の援助が継続して必要な場合は、1級の可能性を検討する。

在宅の場合

在宅での療養状況を考慮する。

在宅で、家族や重度訪問介護等から常時援助を受けて療養している場合は、1級または2級の可能性を検討する。

③生活環境(精神障害)

家族等の援助・福祉サービス

家族等の日常生活上の援助や福祉サービスの有無を考慮する。

独居であっても、日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合(現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要がある状態の場合も含む)は、それらの支援の状況(または必要性)を踏まえて、2級の可能性を検討する。

グループホーム等

入所施設やグループホーム、日常生活上の援助を行える家族との同居など、支援が常態化した環境下では日常生活が安定している場合でも、単身で生活するとしたときに必要となる支援の状況を考慮する。

一人暮らし

独居の場合、その理由や独居になった時期を考慮する。

④就労状況(精神障害)

仕事をしている場合

労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認したうえで日常生活能力を判断する。

援助や配慮が常にある場合

援助や配慮が常態化した環境下では安定した就労ができている場合でも、その援助や配慮がない場合に予想される状態を考慮する。

障害者雇用・就労継続AB・就労移行支援

相当程度の援助を受けて就労している場合は、それを考慮する。

就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)及び障害者雇用制度による就労については、1級または2級の可能性を検討する。就労移行支援についても同様とする。

障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性を検討する。

就労の影響

就労の影響により、就労以外の場面での日常生活能力が著しく低下していることが客観的に確認できる場合は、就労の場面及び就労以外の場面の両方の状況を考慮する。

一般就労の場合

一般企業(障害者雇用制度による就労を除く)での就労の場合は、月収の状況だけでなく、就労の実態を総合的にみて判断する。

安定して就労できているか?

安定した就労ができているか考慮する。1年を超えて就労を継続できていたとしても、その間における就労の頻度や就労を継続するために受けている援助や配慮の状況も踏まえ、就労の実態が不安定な場合は、それを考慮する。

発病前との比較

発病後も継続雇用されている場合は、従前の就労状況を参照しつつ、現在の仕事の内容や仕事場での援助の有無などの状況を考慮する。

欠勤・遅刻・早退

精神障害による出勤状況への影響(頻回の欠勤・早退・遅刻など)を考慮する。

職場での臨機応変な対応・意思疎通

仕事場での臨機応変な対応や意思疎通に困難な状況が見られる場合は、それを考慮する。

⑤その他(精神障害)

程度と判定に齟齬がある場合

「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」に齟齬があれば、それを考慮する。

判定の平均が低い場合

「日常生活能力の判定」の平均が低い場合であっても、各障害の特性に応じて特定の項目に著しく偏りがあり、日常生活に大きな支障が生じていると考えられる場合は、その状況を考慮する。

依存症について

依存症については、精神病性障害を示さない急性中毒の場合及び明らかな身体依存が見られるか否かを考慮する。

知的障害

①現在の病状又は状態像(知的障害)

複数の精神疾患が併存しているとき

認定の対象となる複数の精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断する。

ひきこもりの場合

ひきこもりについては、精神障害の病状の影響により、継続して日常生活に制限が生じている場合は、それを考慮する。

知能指数について

知能指数を考慮する。ただし、知能指数のみに着眼することなく、日常生活の様々な場面における援助の必要度を考慮する。

不適応行動について

不適応行動を伴う場合に、診断書の⑩「ア 現在の病状又は状態像」のⅦ知能障害等またはⅧ発達障害関連症状と合致する具体的記載があれば、それを考慮する。

②療養状況(知的障害)

通院・服薬について

通院の状況(頻度、治療内容など)を考慮する。

薬物治療を行っている場合は、その目的や内容(種類・量(記載があれば血中濃度)・期間)を考慮する。また、服薬状況も考慮する。

通院や薬物治療が困難又は不可能である場合は、その理由や他の治療の有無及びその内容を考慮する。

不適応行動について

著しい不適応行動を伴う場合や精神疾患が併存している場合は、その療養状況も考慮する。

③生活環境(知的障害)

家族等の援助について

家族等の日常生活上の援助や福祉サービスの有無を考慮する。

独居であっても、日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合(現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要がある状態の場合も含む)は、それらの支援の状況(または必要性)を踏まえて、2級の可能性を検討する。

グループホーム等の場合

入所施設やグループホーム、日常生活上の援助を行える家族との同居など、支援が常態化した環境下では日常生活が安定している場合でも、単身で生活するとしたときに必要となる支援の状況を考慮する。

一人暮らしの場合

独居の場合、その理由や独居になった時期を考慮する。

在宅の場合

在宅での援助の状況を考慮する。

在宅で、家族や重度訪問介護等から常時個別の援助を受けている場合は、1級または2級の可能性を検討する。

施設入所について

施設入所の有無、入所時の状況を考慮する。

入所施設において、常時個別の援助が必要な場合は、1級の可能性を検討する。

④就労状況(知的障害)

仕事をしている場合

労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認したうえで日常生活能力を判断する。

援助や配慮が常にある場合

援助や配慮が常態化した環境下では安定した就労ができている場合でも、その援助や配慮がない場合に予想される状態を考慮する。

障害者雇用・就労継続AB・就労移行支援

相当程度の援助を受けて就労している場合は、それを考慮する。

就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)及び障害者雇用制度による就労については、1級または2級の可能性を検討する。就労移行支援についても同様とする。

障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性を検討する。

就労の影響

就労の影響により、就労以外の場面での日常生活能力が著しく低下していることが客観的に確認できる場合は、就労の場面及び就労以外の場面の両方の状況を考慮する。

一般就労の場合

一般企業(障害者雇用制度による就労を除く)での就労の場合は、月収の状況だけでなく、就労の実態を総合的にみて判断する。

仕事の内容

仕事の内容が専ら単純かつ反復的な業務であれば、それを考慮する。

一般企業で就労している場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも、仕事の内容が保護的な環境下での専ら単純かつ反復的な業務であれば、2級の可能性を検討する。

職場での意思疎通

仕事場での意思疎通の状況を考慮する。

一般企業で就労している場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも、他の従業員との意思疎通が困難で、かつ不適切な行動がみられることなどにより、常時の管理・指導が必要な場合は、2級の可能性を検討する。

⑤その他(知的障害)

程度と判定の祖語

「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」に齟齬があれば、それを考慮する。

判定の平均が低い場合

「日常生活能力の判定」の平均が低い場合であっても、各障害の特性に応じて特定の項目に著しく偏りがあり、日常生活に大きな支障が生じていると考えられる場合は、その状況を考慮する。

発育歴・養育歴・教育歴

発育・養育歴、教育歴などについて、考慮する。

特別支援教育、またはそれに相当する支援の教育歴がある場合は、2級の可能性を検討する。

療育手帳について

療育手帳の有無や区分を考慮する。

療育手帳の判定区分が中度以上(知能指数がおおむね50以下)の場合は、1級または2級の可能性を検討する。それより軽度の判定区分である場合は、不適応行動等により日常生活に著しい制限が認められる場合は、2級の可能性を検討する。

大人になってから判明した場合

中高年になってから判明し請求する知的障害については、幼少期の状況を考慮する。

療育手帳がない場合、幼少期から知的障害があることが、養護学校や特殊学級の在籍状況、通知表などから客観的に確認できる場合は、2級の可能性を検討する。

発達障害

①現在の病状又は状態像(発達障害)

複数の精神疾患が併存しているとき

認定の対象となる複数の精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断する。

ひきこもりについて

ひきこもりについては、精神障害の病状の影響により、継続して日常生活に制限が生じている場合は、それを考慮する。

知能指数が高い場合

知能指数が高くても日常生活能力が低い(特に対人関係や意思疎通を円滑に行うことができない)場合は、それを考慮する。

不適応行動を伴う場合

不適応行動を伴う場合に、診断書の⑩「ア現在の病状又は状態像」のⅦ知能障害等またはⅧ発達障害関連症状と合致する具体的記載があれば、それを考慮する。

感覚過敏がある場合

臭気、光、音、気温などの感覚過敏があり、日常生活に制限が認められれば、それを考慮する。

②療養状況(発達障害)

通院や服薬の状況

通院の状況(頻度、治療内容など)を考慮する。

薬物治療を行っている場合は、その目的や内容(種類・量(記載があれば血中濃度)・期間)を考慮する。また、服薬状況も考慮する。

通院や薬物治療が困難又は不可能である場合は、その理由や他の治療の有無及びその内容を考慮する。

不適応行動について

著しい不適応行動を伴う場合や精神疾患が併存している場合は、その療養状況も考慮する。

③生活環境(発達障害)

家族等の援助について

家族等の日常生活上の援助や福祉サービスの有無を考慮する。

独居であっても、日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合(現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要がある状態の場合も含む)は、それらの支援の状況(または必要性)を踏まえて、2級の可能性を検討する。

グループホーム等について

入所施設やグループホーム、日常生活上の援助を行える家族との同居など、支援が常態化した環境下では日常生活が安定している場合でも、単身で生活するとしたときに必要となる支援の状況を考慮する。

一人暮らしについて

独居の場合、その理由や独居になった時期を考慮する。

在宅での援助について

在宅での援助の状況を考慮する。

在宅で、家族や重度訪問介護等から常時個別の援助を受けている場合は、1級または2級の可能性を検討する。

施設入所について

施設入所の有無、入所時の状況を考慮する。

入所施設において、常時個別の援助が必要な場合は、1級の可能性を検討する。

④就労状況(発達障害)

仕事をしている場合

労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認したうえで日常生活能力を判断する。

職場での援助や配慮について

援助や配慮が常態化した環境下では安定した就労ができている場合でも、その援助や配慮がない場合に予想される状態を考慮する。

障害者雇用・就労継続AB・就労移行支援

相当程度の援助を受けて就労している場合は、それを考慮する。

就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)及び障害者雇用制度による就労については、1級または2級の可能性を検討する。就労移行支援についても同様とする。

障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性を検討する。

就労の影響

就労の影響により、就労以外の場面での日常生活能力が著しく低下していることが客観的に確認できる場合は、就労の場面及び就労以外の場面の両方の状況を考慮する。

一般就労の場合

一般企業(障害者雇用制度による就労を除く)での就労の場合は、月収の状況だけでなく、就労の実態を総合的にみて判断する。

仕事の内容

仕事の内容が専ら単純かつ反復的な業務であれば、それを考慮する。

一般企業で就労している場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも、仕事の内容が保護的な環境下での専ら単純かつ反復的な業務であれば、2級の可能性を検討する。

執着・臨機応変な対応

執着が強く、臨機応変な対応が困難である等により常時の管理・指導が必要な場合は、それを考慮する。

一般企業で就労している場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも、執着が強く、臨機応変な対応が困難であることなどにより、常時の管理・指導が必要な場合は、2級の可能性を検討する。

職場での意思疎通

仕事場での意思疎通の状況を考慮する。

一般企業で就労している場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも、他の従業員との意思疎通が困難で、かつ不適切な行動がみられることなどにより、常時の管理・指導が必要な場合は、2級の可能性を検討する。

⑤その他(発達障害)

程度と判定の祖語

「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」に齟齬があれば、それを考慮する。

判定の平均が低い場合

「日常生活能力の判定」の平均が低い場合であっても、各障害の特性に応じて特定の項目に著しく偏りがあり、日常生活に大きな支障が生じていると考えられる場合は、その状況を考慮する。

発育・養育・教育歴、発達支援、自立訓練

発育・養育歴、教育歴、専門機関による発達支援、発達障害自立訓練等の支援などについて、考慮する。

知的障害を伴う場合

知的障害を伴う発達障害の場合、発達障害の症状も勘案して療育手帳を考慮する。

療育手帳の判定区分が中度より軽い場合は、発達障害の症状により日常生活に著しい制限が認められれば、1級または2級の可能性を検討する。

知的障害を伴わない場合

知的障害を伴わない発達障害は、社会的行動や意思疎通能力の障害が顕著であれば、それを考慮する。

大人の発達障害の場合

青年期以降に判明した発達障害については、幼少期の状況、特別支援教育またはそれに相当する支援の教育歴を考慮する。

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