障害年金の受給要件は3つです
障害年金が支給されるためには、基本的に次の3つの要件を満たす必要があります。
- 被保険者要件
- 保険料納付要件
- 障害要件
以下、順にご説明いたします。
1. 被保険者要件
まず、障害年金の請求においては、「初診日」が重要な意味を持ちます。
初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診察を受けた日のことです。
請求するのが障害基礎年金(国民年金)なのか、それとも障害厚生年金(厚生年金)なのか、それはこの初診日に加入していた年金制度によって決まります。
つまり、初診日に加入していたのが国民年金であれば障害基礎年金を請求し、厚生年金であれば障害厚生年金を請求するということです。
請求するのが障害基礎年金である場合、初診日において次のいずれかの要件に該当することが必要です。
- 国民年金の被保険者であること
- 20歳未満であること
- 国民年金の被保険者であった者であって、日本国内に住所があり、かつ60歳以上65歳未満であること
これに対し、障害厚生年金を請求しようとする場合は、初診日において必ず厚生年金の被保険者でなければなりません。
例えば…
例えば、20年勤めた会社をうつ病によりやむなく退職し、障害年金を請求するケースを考えてみましょう。
この場合、退職前の厚生年金加入期間中に初診日があれば、つまりたった1日でも受診していれば、退職後でも障害厚生年金を請求できます。
しかし、退職して1週間後、加入しているのが国民年金のみとなった後に初診日がある場合には、たとえ20年間加入していたとしても障害厚生年金は請求できず、障害基礎年金の請求となるのです。
※障害年金を請求する側からの視点では、認定のされやすさ、もらえる額の多さの点で、障害基礎年金(国民年金)よりも障害厚生年金(厚生年金)の方が有利です。
2. 保険料納付要件
原則としては、初診日の前日において、初診日が属する月の前々月までに、保険料を納付した期間と免除となった期間を合わせた期間が、被保険者期間全体の3分の2以上あることが必要です。
言い方を変えれば、未納期間が全体の3分の1を超えてはいけないということです。
ただ、初診日が令和8年3月末日までにあり、かつ、初診日に65歳未満である場合、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間に未納期間がなければ、それで要件を満たすこととされています。
そのため、まずは直近1年間の納付状況を確認し、未納期間がなければそれで要件クリア。
もし直近1年間に未納期間があれば、全体の3分の2以上の期間が納付済み期間(免除期間を含む)となっているのかを確認することとなります。
3. 障害要件
障害の状態が、法律で定められた障害等級に該当しているのかどうかということです。
基本的には、初診日から1年6ヶ月後の「障害認定日」において、障害等級に該当しているかどうかを確認します。
ただし、障害認定日には等級に該当するほどではなかったものの、その後状態が悪化してしまったというケースでも請求は可能です(「事後重症請求」)。